2013年09月07日

ThruNite Archer 1C

ThruNite Archer 1C
ThruNite Archer 1C の【Archer】は【弓を射る射手】の意ですが、CREE XP-G2 とミラーリフの組み合わせで、OPリフで XM-L T6 搭載の Neutron に比べ、若干スポット寄りの配光になっています。

このスポット気味の配光が1点を貫く弓矢のイメージと重なるのは確かですが、実際自分で使ってみると『ネーミングの意図がソレだけでは無いのでは?』と思え、つい ( ̄ー ̄)ニヤリ としてしまいました。

1AA仕様の Neutron 1A との比較をメインに、その辺りもレビューしたいと思います。

◆パッケージ

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他の ThruNite社のEDCタイプ製品と同じ紙箱のパッケージです。

ThruNite Archer 1CThruNite Archer 1C
内容物は本体、スペアのOリング、ホルスタ-、取扱説明書。

ホルスターは Neutron シリーズと同じタイプです。


◆サイズ
ThruNite Archer 1C

1×CR123A(または16340)仕様なので Neutron 1A よりコンパクトなサイズです。
単三×1(1AA)仕様のパトリオ6やパトリオ8と、ほぼ同じ長さです。

同じ1×CR123Aの ThruNite T21と比べると長く感じますが、スイッチユニットやリフの深さを考えれば、全長 89mm は充分コンパクトなサイズだと思います。
ThruNite Archer 1CThruNite Archer 1C

電池(RCR123)込みの重量も 63g と軽いので、EDCライトとして持ち歩いても気にならないと思います。


◆ボディ

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ローレット処理や各部ジョイントの角ネジなど、殆どが Neutronシリーズと共通となっています。

既に Neutronシリーズを使っていると新鮮味は有りませんが、基本をしっかりと押さえ、丁寧に造り込まれたシンプルなライトなので満足度は高いと思います。(無駄に派手なライトは人前で使うのを躊躇ってしまいます)


◆スイッチ
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Neutronシリーズと大きく異なる点の一つがスイッチで、Archerシリーズはスイッチ半押しでの間欠点灯が可能なフォワード・クリック式となっています。

リバース式の Neutron は、スイッチブーツ面がフラットになっていますが、Archerは少し“プックリ”と膨らみが有り、間欠点灯時の操作も行い易くなっています。

スイッチは適度な反発力が有り、ストロークも浅過ぎず深過ぎず、しっかりとクリック感があるタイプです。
フォワード式スイッチを採用したライトの中には、希にブーツとスイッチユニットの間に空間が有ったり、点灯するまでのストロークが深すぎたりして、自分でゴム片を挟むなどして微調整しますが、Archerのスイッチについてはカスタマイズする必要性は感じません。

個人的に、どんなに高価で高性能なライトでもスイッチの操作性がダメダメだと使う気が失せたり、愛着が持てなくなるヒトなので、スイッチへの拘りは結構強いのデス。(スイッチ丸ごと交換したライトもチラホラ…)

ThruNite Archer 1C

スイッチ廻りのクラウンは Neutron と同じくスイッチの操作性を考えつつ、スプリットリングを付けてもテールスタンドが可能な形状になっており、リアキャップを少し緩める事で誤点灯防止(ロックアウト)が可能となっています。(長孔が片側各2つから各1つになっていますが、操作性や携帯性には全く影響有りません)


◆ヘッド/LED
ThruNite Archer 1C

ステンレスベゼルやARコートされたガラス製フィルターも Neutron と同じです。

Neutron のリフはOPリフとなっていますが、Archer ではミラーとなっています。
実際に測ったワケでは有りませんが、外観から推測するとリフの深さも Neutron と同じ深さだと思います。

ThruNite Archer 1CThruNite Archer 1C

冒頭で述べた様にLEDがXP-G2になった事もあり、天井照射レベルの至近距離だとスポット寄りの配光だと確認できますが、屋外で普通に使う場合はそれ程スポットを意識する事は無いと思います。(つまり周辺光も充分に存在する)


◆モード

ThruNite Archer 1C

Mini:0.2 lm(315時間)
Low:24 lm(13時間)
Med:90 lm(2.7時間)
Hi:281 lm(48分)
Strobe:281 lm(1.5時間)
の計5モードとなっています。

Hiでの点灯時はそれなりに発熱が有りますが、ヘッドのサイズ(長さ)が大きい所為か、1分で即アツアツと言う事にはなりません。

メモリー機能を備え、消灯時のモードで再点灯しますが、これは間欠点灯時に於いても有効です。
例えばLowで消灯したら何度スイッチを半押ししてもモードが変わる事無くLowで再点灯し、全押ししても同じくLowで点灯します。(ストロボで消灯してもストロボで再点灯)

モードの切替は、スイッチの半押し・全押し状態に関わらず、点灯時にヘッドの【締める/緩める】でモードを切り替えます。

Neutronは2つのグループをヘッドの【締める/緩める】で切り替えますが、Archerはグループの区別が無く、よりシンプルな操作になっています。

個人的に感心したのがモード切替時の点灯状態でして、ナント Archer はモード切替時でもライトが消える事が無いのです!(`・ω・´) キリッ


『は?普通じゃネ?』 と思った方…


もし多モード式のライトを持っているなら、試しにモードを切り替えてみて下さい。

リバース式でもフォワード式でもヘッドのツイスト式でも、モードの切替時には電流を瞬断する関係で、必ず一瞬消灯するハズです。

ところがArcherは、ヘッドを少し(約5mm)緩めて締めると、瞬断(消灯)する事無く、点灯状態を維持しながら次のモードに移行します。

又、少しヘッドを緩めた状態で点灯し、その状態からヘッドを締めると点灯してからの時間経過に関係無く次のモードに移行します。(例えば緩めた状態でMed点灯し、10分後、20分後にヘッドを締めても、その時点でスグにHiに切り替わります)

【Archer】というネーミングは、スポット寄りの配光もそうですが、実はこのモード切替時でも点灯状態を維持する事から来ているのでは無いかと…


つまり、狙った獲物は逃がさないゼ…( ̄ー ̄)ニヤリッ みたいな…

例え瞬間的にでも照射対象を暗闇に紛れさせる事無く、視界に捉え続ける…みたいな…
(全て私の想像ですが…)

何れにせよこの感圧式モード切替機構は、ただ新鮮と云うだけでなく便利で実用的です。

感圧式のモード切替自体は特別新しいワケではありませんが、普段リバース式スイッチなどで切替を行っていると不思議な感じがします。
※同じ ThruNite社の Ti や TiS が感圧式

ヘッドをかなり緩めた状態ても点灯状態を維持するので、『モード切替に失敗して真っ暗…』という事が起きません。

普段はヘッドを少し緩めて Med や Low で使い、常時点灯時にワン・アクションで何時でも必要な時に1段上のモードに切替られるシステムは、間欠点灯が可能なフォワード式スイッチと合わせて使ってみると、その便利さがしみじみ判ると思います。(特に間欠点灯を多用する方にお薦め)

ヘッド全体にローレットが施されているので片手でスムーズにヘッドを動かせ、必要な移動量も少ないのでモード切替操作が煩わしいと感じないハズです。移動量が約5mmと言うのも決して大袈裟な数字では無く、ヘッドにマウントされた基板とボディの精度が高いからこそ可能になっているのだと思います。


◆照射
ThruNite Archer 1C

使用可能な電池はCR123Aと最大電圧が4.2Vの16340 Li-ion充電池ですが、チョイ太めの SOLARFORCE 16340 は使えませんでした。

光色は Cool White なので白いです。
5mm砲弾型LEDのような青みの強い白でも無く、ニュートラル・ホワイトに近い白でも無い、ほぼ『純白』という感じです。

ThruNite Archer 1C
Neutron 1A (XM-L T6 / CW) との比較
ThruNite Archer 1CThruNite Archer 1CThruNite Archer 1C

Neutronに有ったFire Fly も健在(?)で、LEDのダイが確認出来るほどの弱い光で点灯します。
ThruNite Archer 1C
Neutron 1A 、T21 との比較
リフの深さと位置、ベゼルの関係でT21より照射範囲は狭くなりますが、その分距離が伸び、Archerは上記3製品の中では最も遠射系のライトとなります。

集光系か拡散系か…
コレは『好みの問題』になるかと思いますが、T21はEDCテイストがより強めになっているので、各々が用途に合った配光だと思います。
ThruNite Archer 1C
Hi:281lm


◆計測

Hiモード時のテール電流を計測。
ThruNite Archer 1CThruNite Archer 1C
RCR123-電池電圧:3.99V / 1.071A
ThruNite Archer 1CThruNite Archer 1C
CR123A - 電池電圧:3.05V / 1.487A
計測結果から逆算するとCR123A使用時(容量1100mAの場合)のHiモード点灯時間はカタログ値に近い事が判ります。(つまり信用できる公称スペック)

また、電池電圧に左右されずに安定した輝度が得られる製品なので安心して使う事が出来ます。

高いルーメン値を求める方にとっては不満かもしれませんが、使う電池電圧によってHiやMaxモード時の連続点灯時間に注意しなくてはならないライトより良いのではないでしょうか?(回路的にも電圧に連動して電流を制限する方が高級?)


◆まとめ

姿、形は兄弟なれど… Neutron と Archer は全く別物のライトです。

正直、実際に自分も使ってみるまでは 『スイッチとLEDが違うぐらいだろ…』 ぐらいにしか思っていませんでしたが、イザ使ってみると良い意味で期待を裏切られました。

かなり抽象的な表現ですが、Neutron は都会的なライトで、Archerは野生的と言うか…
Neutron が農耕民族だとしたら、Archerは狩猟民族と言うか…

とにかく既にNeutronを所有している方が、Archerを購入しても後悔する事は無いと思います。
(2C以外はパーツの互換性も有るし…( ̄。 ̄ )ボソ )

贔屓目かもしれませんが、個人的にArcherには欠点が無い様に思えます。

敢えて言うならば、ストロボモードは【1秒以内に半押し2回】とかで切り替わると更に使い易くなる気がします。
通常点灯モードの切替と同じ動作でストロボモードに切り替わると、HiからMiniに戻る際、意識して操作するのがやや面倒なので…ヽ(´o`;

Neutron か Archer か…どちらか一方を選ぶとなると、コレはかなり悩みます。
(両方買っとけ…( ̄。 ̄ )ボソ )

結局、メインの使用用途に合わせて選ぶのが一番だと思いますが、選ぶ楽しみが増えた事だけは間違い無いデス!(`・ω・´) キリッ

更に悩むのが電池仕様だと思いますが、単三電池に拘りが無く明るいライトを求めるなら、思い切ってCR123A対応ライトにする事をオススメします。

明るさだけが全てでは有りませんが、やっぱり…ネェ
単三乾電池の入手性やランニングコストは捨てがたいのですが、どんなに頑張っても単三乾電池では性能に限界が有るのも事実で、電池の呪縛から解き放たれると、確実に目の前にワンダー・ランドが拡がりマス。(※経験者談)

充電池や充電器への初期投資が必要となりますが、16340のLi-ion充電池が使える環境を整えると、マルチサイズ対応の充電器ならば、結果として18650も使えてライトの選択肢が一気に拡がります。(可能ならPayPalのアカウントを取って海外通販を利用すれば無敵モード確実です)

『将来、単三乾電池とサイズが同じ14500 Li-ion充電池も使えるし 1AA仕様を…』と、Neutron 1A を購入した時に考えたのですが、結局未だに自分は14500を使っていません。

14500はサイズ的にも容量的にもメリットが余り無く、対応していない機器での誤使用の危険が有るので、私自身はこれから先も14500を使う事は無いと思います。


+++


カタログ上のスペックだけを比較すると Archerシリーズは凡庸なライトの印象を受けます。

同じ電池仕様でも最大輝度がArcherより高く、コンパクトなライトは幾らでも有りますし、新しい10WクラスのLEDを搭載して、調光に凝ったギミックを組み込んだライトも次々に製品化されています。

基本、自分も【新しいモノ好き】なので、こうした見た目の派手さに、つい惹かれてしまうのですが、道具というのは実際に使ってみないと判らないモノでして、Archer 1C にはソレを再認識させられました。

特にライトという道具は、安全や安心に直結するツールの一つなので、カタログスペックに惑わされずに信頼できるメーカーの製品を冷静に選びたいモノです…


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ThruNite社のストアがAmazon内にOPENしました♪\(^o^)/
英語が苦手な方でも気軽に利用する事が出来て、海外の直販サイトと大きな価格差が無いので“お得”な印象を受けます。

□ Amazon / ThruNite JP

□ Archer 1C

私の知る限り、メジャーなライトメーカーで日本の Amazon内にショップを開いたのは ThruNite社が初めてでは無いかと…(゚ー゚*)。oO

英語の直販サイトでは、随時セールが開催されるので、マメにチェックすると掘り出し物を手に入れられるかも…(本日現在、Summer Promotion を開催中)
http://www.thrunite-store.com/

日本語の直販サイトも既にオープンしています。
http://www.thrunite-store.jp/

本格的なアウトドア・シーズンを迎え、ライトの出番が益々多くなる季節だと思います。
自分にとってベストな1本を是非見つけて下さい。(*^-゚)v

明るいライトは楽しいヨォ~(*´▽`*)♪



【お客さんから権限を授けて転載いただきました。ご参考ください。】





Posted by ThruNite  at 16:13 │Comments(0)
 
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